代表インタビュー
世界中のどこよりも現場で活用される
ドローンを持つ会社を目指して
「想像し得る未来に、暮らしをもっと近づける」をミッションに掲げ、ドローンやロボティクスとの協働社会の実現を目指すTOMPLA。
同社は、ドローンを活用した配送事業や運航管理業務支援、工場設備管理、パイロットマッチングなど、多岐にわたるサービスを提供しています。現在は現在は社会的ニーズが急速に高まっている、狭小空間に入り込める小型のドローンを開発に注力しています。
今回は代表の藤本に、会社の事業やTOMPLAで働く魅力について話を伺いました。

◆ ドローンとは異なるキャリアからのスタート
── 代表のこれまでのキャリアについて教えてください。
藤本:実は私の経歴は全くドローンと縁がありませんでした。
最初のキャリアは地方の食品製造業向けに商品開発提案をする仕事でした。加工食品は製造プロセスが固定化されているので製造プロセスに応じて必要となる素材を選定して、目指すゴールの味や商品を顧客である開発者と伴走するものでした。色々な商品に伴走する内に、自分自身で商品コンセプトを発案する所からやりたい気持ちが芽生えたので、ドラッグストアで並ぶ医薬品メーカーの商品企画・マーケティング部門に転職しました。
その部署には外資系マーケティング出身の方々が大勢いたので、有名な外資系マーケの仕事のスタイルを学ぶことが出来ました。外資系マーケの特徴の一つに、あらゆる情報を数値化・パラメータ化して意思決定を行う、というものがあります。業務の最適化、意思決定の明確さを生み出す事が出来るなと感じた一方で、過去にデータがない新しい領域へチャレンジする事が難しい構造であると気付きました。新しいチャレンジをしていきたい意欲を押さえられなくなったので、今度は新規事業や起業家を生み出す事で有名な人材系のIT会社の事業開発部門に入りました。そこから当社を創業するきっかけに繋がっていきます。
── ドローンとは一見関係のないキャリアですが、どのようにTOMPLA設立につながったのでしょうか。
藤本:当時携わった新規事業が物流ドライバーや飲食スタッフの全国採用センターの構築です。全国の採用データを集めていくと、地方ではパートスタッフの人材採用単価で100万円単位を掛けている状況を目の当たりにして、現場の業務を人が実施する前提を変える必要があるのではと感じました。ちょうどその頃ロボットやドローンの社会実証が始まっているニュースも増えてきた事もあり、当時所属の部署でロボットと現場をマッチングする事業を始めようと事業計画を作って提案しました。が、残念ながら速攻で却下されました笑 今でこそ大手企業が事業として打ち出していますが、早すぎたようです。
それならば自分自身でドローンやロボットを現場実装していく事業を始めようか、というのが当社立ち上げのきっかけです。
◆ アクセス困難な場所で、人間の代わりにデータを取得してくれるデバイスを開発
── 現在、どのようなドローンを開発・製造していますか?
藤本:当社は「Unlocking inaccessible insights, effortlessly」を開発チームのビジョンに掲げています。
多くのドローンやロボティクスの現場実証に携わる中で、高さ数十mのプラント設備やインフラ施設の深い縦穴等、人が危険を冒して状態データを取得している環境を数多く見てきました。
世界中に数百万箇所以上存在していると言われている、このようなアクセス困難な場所で、人間の代わりにデータを取得してくれる世界を作ろうとしています。
その為に、直近では社会的ニーズが急速に高まっている狭小空間に入り込める小型のドローンを開発しています。
当社のドローンのハードウェア設計思想の特徴は、使用環境・運用方法は固定化させつつ、ペイロードカスタマイズ余地を残すという点です。
我々はドローンやロボティクスのプロですが現場作業のプロではありません。そこで、現場作業の方々のユースケースにあわせた対応ができる余白を作るようにしています。一方で使用環境や運用方法にまで柔軟性を持たせすぎると毎回オーダーメイドとなってしまうので開発効率性も重視しています。


◆ 「顧客の課題」が全ての起点
── TOMPLAで働く魅力はどのような点にありますか?
藤本:事業や製品のサイクルとして、0-1(創出期)、1-10(検証期)、10-100(量産期)のフェーズがあると言われています。多くのモノづくりの会社では、1-10フェーズで完結する、もしくは10-100フェーズの仕事しかない、という事が多いかと思います。私自身、大企業の中での仕事がまさにそうでした。
当社では現在、0-1フェーズから1-10フェーズ~10-100フェーズまでを見据えたプロジェクトが進行している為、全てのフェーズを経験できるタイミングにあります。このタイミングは今の当社にしかないのではないかと考えています。
── 会社の文化や価値観について教えてください。
藤本:会社の価値観や意思決定において大事にしている点は、主語を「顧客の課題」としている所です。会社として目指すビジョンやミッションとの繋がりがある前提ですが、我々の意思決定の主語を「技術」でも「顧客」でもなく「顧客の課題」とする事で、開発内容や手法の意思決定基準を明確にしています。
── どのような人がTOMPLAに向いているでしょうか?
藤本:協力プレイが出来る人です。ドローンやロボティクスは様々な技術の集積で駆動するものなので、多様な知見や経験を取り入れて進めていく必要があります。トニー・スターク博士(アイアンマンの主人公)を探している訳ではありませんので、一人で抱え込むのではなく、分からない事や上手くいかない事を恐れずにどんどん発信できる方を求めています。

◆ 顧客課題を具現化してくれる仲間を募集
── 今回募集するポジションについて教えてください
藤本:さまざまな現場課題のヒアリングから、必要とする機能と性能はかなり言語化できてきました。なので、まさに今それを形にしてくれる専門知識と情熱を求めています。
入社後は設計段階から実装、テストまで、エンジニアの視点が製品開発の中核を担っていただきます。
こんな経験をお持ちの方を歓迎しています。
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自作ロボットやドローンの設計開発経験
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姿勢制御システムの実装経験
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センサーデータと機体制御のプログラム開発経験
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100台程度の精密機器の生産体制・生産品質の構築に関わった経験
◆ 世界中のどこよりも現場で活用されるドローンを持つ会社を目指して
── 今後の展望についても教えてください。
藤本:当社は「想像し得る未来に、暮らしをもっと近づける」をミッションに掲げています。
これは誰もが子供の頃に想い描いていた、便利でワクワクする未来の姿と、現実の暮らしの差分を埋めていく存在でありたいというものです。私自身のキャリアでは目標状態と現在の状況の差分を埋める業務をずっとやってきたので、当社もワクワクする未来世界との懸け橋になりたいと考えています。
当社は世界から注目されるドローンを持つ会社よりも、世界中のどこよりも現場で活用されるドローンを持つ会社でありたいと考えています。それを実現させるために、現在は現場数と利用数が圧倒的に多いプロジェクトに注力して実行しています。我々のドローンで取得できるデータは、従来では取得が困難である貴重なデータです。我々は現場数を獲得する事で得られるデータは大きな可能性を秘めていると考えています。生成AIが発展しつつある現在だからこそ、入手しにくいデータソースを保有している事が価値あるものになってくると考えています。
現在では様々な技術がどんどん出てきて注目を集めたり陳腐化していっています。ともすると技術主語で語りがちなドローンの世界において、我々は世界の問題を解決するための手段としてドローンやロボットがどんどん使われる世界を一緒に作っていきたいです。